東京大学関本教授 田中・八木

空間情報科学研究センター長/デジタル空間社会連携研究機構長 教授 関本義秀氏

【概要】

この講座は全10回の連続講座となっており、以下の目的で実施されます。
目的:高度情報化社会における「参加」を徹底的に問い直し、デジタル技術の実践の積み重ねによって地域社会のレジリエンスを支える新たな民主主義を創出・展開すること。
参加対象:大学生、大学院生、社会人(企業、行政関係者(自治体職員・政策担当者)NPO/NGOなど。

【目指すこと】

・市民による社会への「参加」のための技術活用を通して、民主的なガバナンスを実現する。
・先端技術を社会生活のなかで実際にどう活用できるか、地域内の喫緊の現場での課題や、現場の活動をふまえてボトムアップ的にアイデアを実装する力を人と地域に蓄積する
・シビックテックの概念や意義、市民参加の歴史的背景や政府・自治体といったステークホルダーとの関係を理解し、情報社会における市民参加の理論を学ぶ。
・オープンデータやオープンソースを用いたシビックテック事例を通じて、デジタル技術の活用方法を理解し、社会課題解決に応用できる力を養う。
・協働のためのデザイン、プロトタイピング、コミュニティ形成のプロセス等を学び、シビックテックの実践的な手法を習得する。
・実社会の課題を発見し、自らがその課題解決に関わるやり方を考え、選ぶことで、社会に参加する態度を身につける。

【考察】

以下は、講義内容を受けての私自身の考察です。
 草津市におけるまちづくりを進めるうえで、目指すべきは「誰もが自分らしく暮らせる、幸福を感じられる地域社会」の実現だと考えます。そのうえで、行政の役割は単なるサービス提供にとどまらず、市民一人ひとりの「ウェルビーイング」を支える仕組みづくりへと進化する必要があります。
 その鍵のひとつが、「シビックテック」だと思います。東京大学で受講した講義『デジタル技術と対話で創る未来』では、シビックテックは「市民がテクノロジーを活用し、自らの望む社会を創る営み」と定義され、テクノロジーと民主主義の融合として紹介されました。
市民の多様な声を丁寧に拾い上げることは、個人の自己実現やエンパワメントにも直結すると考えます。また、自分の意見が社会に反映される体験は、自治意識とつながり感を育み、精神的なウェルビーイングの向上にもつながると感じています。
 例えば、草津市内の公園整備において市民の意見を吸い上げる仕組みとして、デジタル地図を用いた投稿ツール(My City Reportのような仕組み)を導入すれば、子育て世代や高齢者など声を届けにくい層の声を反映しやすくなると考えます。
 今後の草津市では、こうしたデジタルと人間の力を融合させた「参加型×幸福志向」のまちづくりを推進していきたいと考えています。例えば、公園整備や地域公共交通の課題に対し、市民が意見を投稿・共有できるツールを導入することで、小さな声も施策に反映される仕組みが生まれます。
 私自身、この学びを今後の政策提言や実践に活かし、市民が「関わること」自体に意味が感じられる、持続可能な草津市の未来を築いていきたいと考えています。(文責・田中詩織)

東京大学にて

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